1953年に創設された幸福会ヤマギシ会(ヤマギシズム)は、農業や牧畜を中心にした共同生活を行う団体として知られています。
一部ではカルト宗教では?という声もあり、たびたび話題に上がる存在です。
特に2017年に漫画家の高田かやさんが出版した『さよなら、カルト村』によって、ヤマギシ会の生活実態に再び注目が集まりました。
ヤマギシ会は、山岸巳代蔵(やまぎし みよぞう)氏が創設した共同体です。
この団体の特徴は、以下の3つの理念にあります。
✅無所有:個人で財産を持たない
✅共有:すべての資産を共同体で管理する
✅共活:農業や牧畜を通じて共同生活を行う
つまり、個人の財産や所有物をなくし、共同生活によって理想社会(ユートピア)を実現することを目的とした団体です。
宗教団体と誤解されることもありますが、形式上は農業組合法人として活動しています。
この記事では、ヤマギシ会信者と噂される有名人8名と、ヤマギシ会の結婚制度や老後の生活について分かりやすく解説します。
Contents
ヤマギシ会信者に所属している有名人8名とは?

ネット上では、ヤマギシ会に関係していると噂される有名人が何人か存在します。
ただし、多くは研究や取材などで関わった人物であり、実際の信者ではないケースも多いと言われています。
①島田裕巳
宗教学者としてヤマギシ会を研究する中で、一時的に参加して生活した経験があります。
しかし、約7ヶ月で脱会したと言われています。
③ 新島淳良
中国文学の研究者として知られる人物で、人類の理想郷を追い求めた思想家でもありました。
共産主義に強い関心を持ち、毛沢東や魯迅を敬愛していたことでも知られています。
1973年、理想社会を実現する場としてヤマギシ会に入会。
団体の理念に共感し、教育機関であるヤマギシズム学園の設立にも深く関わるなど、活動の中心人物として活躍しました。
その後、1978年に一度はヤマギシ会を離れるものの、再び戻り、ヤマギシズムの思想を広める“広告塔”のような存在として活動を続けます。
最終的には、ヤマギシ村で生涯を終えることとなりました。
理想社会を追い求め続けたその人生は、まさに思想と信念に生きた人物だったと言えるでしょう。
④ 高田かや
漫画エッセイ『カルト村で生まれました。』で知られる髙田かやさんも、元ヤマギシ会の会員です。
ヤマギシ村で生まれ育ち、19歳のときに村を離れる決断をしました。
自身の体験をもとに描いた作品では、ヤマギシ会での共同生活や独特のルール、子ども時代に感じた思いなどがユーモアを交えながらリアルに描かれています。
その分かりやすい語り口と率直な内容が読者の共感を呼び、ヤマギシ会の実態を知るきっかけとなる本となりました。
現在も関連する書籍をいくつか出版しており、ヤマギシ村での生活を内側から描いた貴重な証言として、多くの読者に読まれ続けています。
⑤小野さやか
映画『アヒルの子』で知られる小野さやか監督は、幼少期にヤマギシ会の教育施設ヤマギシズム学園に在籍していた経験を持つ人物です。
幼年部の5期生として、わずか5歳のころから親元を離れ、1年間を学園で共同生活しながら過ごしたといいます。
当時はお母さん係と呼ばれる大人と共に生活していましたが、その体験は幼い心に大きな影響を残しました。
小野監督は、学園に預けられたことを家族に捨てられたように感じたと振り返っており、その強いショックから当時の1年間の記憶がほとんど残っていないとも語っています。
その後、家族のもとに戻った小野監督は良い子でいなければならないという思いに縛られ、自分の本当の気持ちを見失ってしまったといいます。
こうした幼少期の体験は、作品づくりにも大きく影響していると言われています。
⑥ 松任谷由実
歌手の松任谷由実さんがヤマギシ会の会員ではないか、という噂がインターネット上で広まっています。
しかし、実際に調査してみても、松任谷由実さんがヤマギシ会に入会しているという確かな証拠は確認されませんでした。
一方で、松任谷由実さんは奈良県にある天河大弁財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)」との関わりがあることで知られています。
天河大弁財天社は、芸能の守護神として信仰されている市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を主祭神とする神社で、芸能人やアーティストの参拝者が多いことでも有名です。
そのため、別の宗教・信仰との情報が混同され、ヤマギシ会のメンバーではという噂が広がってしまった可能性が高いと考えられます。
現時点では、松任谷由実さんとヤマギシ会の直接的な関係を示す情報は見つかっていません。
⑥ にしきのあきら
歌手の錦野旦さんについても、ヤマギシ会の会員ではないかという噂がネット上で語られることがあります。
しかし、こちらも詳しく調べてみると、ヤマギシ会に所属しているという証拠は確認されていません。
実際には、錦野旦さんは日蓮正宗の信者であると言われています。
そのため、ヤマギシ会との関係は薄く、単なる噂が独り歩きした可能性が高いでしょう。
さらに、錦野旦さんのように芸能活動で忙しい生活を送る場合、農業や牧畜を中心とした共同生活を基本とするヤマギシ会の活動に参加するのは、現実的に難しいとも考えられます。
⑦ 大仁田厚
元プロレスラーで政治家としても知られる大仁田厚さんにも、ヤマギシ会の会員ではないかという噂が広まったことがあります。
しかし、調査してみてもヤマギシ会に所属しているという確かな情報は確認されていませんでした。
むしろ、大仁田厚さんについては宗教団体である三穂の会に関係しているのではないかという話が知られています。
豪快で破天荒なキャラクターで人気の大仁田さんだけに、静かに農作業を行う共同生活を送るヤマギシ会のイメージとは、少し結びつきにくい印象がありますね。
⑧富田倫生
電子図書館サイト青空文庫の中心人物として知られる富田倫生(とみた みちお)さんも、ヤマギシ会と関係があるのではないかと噂されたことがあります。
富田さんは1952年生まれで、2013年8月に61歳でこの世を去りました。
富田さんは、著作権の保護期間延長に反対する立場を取り、作品は個人の所有物ではなく、社会全体で共有されるべきものという考えを強く発信していたことで知られています。
しかし、実際にヤマギシ会へ参加していたという確かな事実は確認されていません。
ただし、個人の所有よりも社会で共有するという思想が、ヤマギシズムの理念と似ている部分があったため、そこから関連を疑う声が広まり、噂として語られるようになった可能性が高いと考えられています。
ヤマギシ会の結婚制度とは?

ヤマギシ会では、一般社会とは異なる独自の結婚制度が存在すると言われています。
主な特徴は以下です。
✔結婚相手はコミュニティ内で決められることがある
✔年齢差のある結婚も多い
✔共同体の生活を前提とした家庭形成
この仕組みは、共同生活を維持するための制度とされています。
ヤマギシ会の老後は安泰なのか?

ヤマギシ会の生活では、基本的に個人財産を持たないで共同体で生活を支えるという仕組みです。
そのため老後も食事や住居、生活費などは共同体で支え合う形になります。
一方で、脱会した場合は資産が戻らないケースもあり、評価が分かれている団体でもあります。
ヤマギシ会は宗教なのか?
ヤマギシ会は法律上は宗教団体ではありません。
農業を中心にした共同生活団体として活動しています。
しかし、財産の共有や結婚制度・共同生活などの特徴から、メディアや一部の人々からカルト的と指摘されることもあるのが現状です。
ヤマギシ会に有名人や芸能人が少ない理由3選

調査してみると、ヤマギシ会には有名人や芸能人の正式メンバーがほとんど存在しないことが分かります。
その背景には、一般的な生活とは大きく異なる独特のルール(掟)があると言われています。
実際、ヤマギシ会には参加者が守らなければならない独自の制度があり、それが芸能人などが参加しにくい理由の一つと考えられているのです。
ここでは、その代表的なルールを紹介します。
ヤマギシ会の掟①:財産はすべて共同のもの
ヤマギシ会の理念の一つに無所有一体という考え方があります。
これは、個人が財産を持つのではなく、すべてを共有して生活する社会を目指すというものです。
そのため、ヤマギシ会に入会すると、これまで持っていた財産は個人のものではなくなり、共同体の資産として扱われる仕組みになります。
また、農業や牧畜などの作業に対して給料という形での報酬は基本的に支払われません。
入会時には
-
私有財産を持たないこと
-
財産を共同体の活動に使用すること
といった内容に同意する書類にサインする必要があります。
つまり、参加する人は財産を手放すというルールを理解した上で入会しているということになります。
ヤマギシ会の掟②:結婚相手は自分で決められない
ヤマギシ会では、結婚についても一般社会とは大きく異なる仕組みがあります。
なんと、結婚相手を自分で自由に選ぶことができないケースがあるといわれているのです。
共同体の判断によって相手が紹介されることが多く、
一般的には
-
20代前半の女性
-
30〜40代の男性
という組み合わせが多いとされています。
また、ヤマギシズム学園などで育った若い女性が、共同体内で結婚を提案されるケースもあるようです。
さらに、離婚後の扱いにも違いがあると言われています。
男性には再婚の機会が与えられる場合がある一方、女性には再婚が認められないケースもあるという指摘もあり、男女格差を感じさせる側面が議論されています。
ヤマギシ会の掟③:脱会しても財産は戻らない?
ヤマギシ会の制度の中で、特に議論されているのが脱会時の財産問題です。
入会時に財産を共同体へ提供する仕組みになっているため、脱会する際には原則として財産が返還されないケースがあるとされています。
この問題は過去に裁判へ発展したこともありました。
2002年頃、脱会した女性が提出した財産の返還を求めて訴訟を起こし、東京高裁はヤマギシ会に対して約1億円の支払いを命じる判決を出しています。
裁判では、
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財産を一切返さない制度は公序良俗に反する可能性がある
-
財産返還ができないと脱会の自由が制限される
といった点が指摘されました。
ただし、入会時に財産提供に同意していたことなども考慮され、全額返還とはならないケースもあるとされています。
ヤマギシ会は今も存在している?現在の活動
ヤマギシ会は、現在でも活動自体は続いているとされています。
農業を中心とした共同生活を行う団体としては規模が大きく、一部ではミニマリスト的な生活で物を持たない社会の先駆けとして評価する声もあります。
ただし、私有財産を持たない・結婚の自由が制限される可能性・脱会時の財産問題など、参加のハードルが高い点は今も変わらないとされています。
また、脱会時には多くの財産を持たない状態で社会に戻るケースもあるため、入会を考える場合は慎重な判断が必要でしょう。
まとめ

ヤマギシ会の本拠地は三重県津市の豊里と伊賀市の春日山にあり、独自の農業共同体を営んでいます。
2025年での年間売上高は約66億円、約750人のメンバーが共同生活しているようです。
ヤマギシ会は農業を中心にした理想社会を目指しています。


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